那須の清流沿いにたたずむ素朴な別荘は、ツリーハウスを卒業したトム・ソーヤーが次に選んだ愛すべき隠れ家といった雰囲気だ。

●扉の先にいきなり露天（風）風呂
東北新幹線那須塩原駅から車で約20分。那須岳のふもとを流れる清流のそばに、現代のトム・ソーヤーにぴったりな遊び心たっぷりのスモールハウスを見つけた。ロフトの付いたLDのみの2階建てと、母屋から少しずれた形で渡り廊下を介してつながった細長い平屋の2棟建てである。
LDから平屋側に抜けるとそこにはキッチンと洋室が1部屋あるのみ。よく見ると洋室の突き当りの壁にはもう1枚の怪しげな扉が見える。怖い物見たさでドアを開ければ、そこにはこの別荘の雰囲気によく合った、いい感じにワイルドな解放感たっぷりの風呂場が隠されていた。
風呂場の床や壁にあしらわれた石や丸太が醸し出す隠れ湯殿的雰囲気は、休日を過ごす別荘に嬉しい演出だ。浴室の天井と壁は一部ガラス張りで、昼はそこから陽光が降り注ぐ。夜は星の瞬きの下、心行くまで長風呂を楽しむことができるだろう。

●清流の近くに住まう
この別荘をひと目見た時、直感的にひどく惹かれるものを感じたのだが、これは周囲の自然環境による所が大きいだろう。建物裏手には岩と木々のトンネルの間を穏やかな清流がさらさらと流れている。子どもが沢遊びをしても大丈夫そうな深さで、大人が腰かけるのにちょうど良い大きさの岩もそこかしこにある。暖かい季節になったら、ありあわせの具材を挟んで作ったバゲットとコーヒーを用意して、大きな岩の上でピクニック気分でスペシャルなランチを楽しむのも良いかもしれない。
えっ、水に濡れるのはイヤだ？そんな時も心配はいらない。清流を眺めるのにおあつらえ向きの素敵なウッドデッキが用意されているからだ。キッチンから直接出入りできるのでバーベキューの準備にも、冷えた飲み物の確保にも使い勝手がいい。夏場もクーラーいらずの涼しさで、心地よい風を肌に感じながら、旨い食事と弾む話についついビールの空き缶が積み上がってしまいそうだ。

●渓流釣り、スキーやスノーボードの拠点として
清流沿いに別荘を構えるオーナーというと、多分に釣り好きなのではと推察してしまう。時期によっても変わるが、那須塩原の箒川ではニジマスやヤマメ、鮎やカジカなどの釣り人たちで賑わいを見せる。いかにビッグな魚を釣れるか競うという「ビッグワンコンテスト」も年に2回開かれているようなので、我こそはと思う釣りキチは腕試しに参加してみてはいかがだろうか？
釣りや沢遊びのオフシーズンはウィンタースポーツを楽しみたい。那須塩原には首都圏最大級のスキー場と言われるハンターマウンテン塩原がある。ファミリーからパイプやキッカーを楽しみたいボーダーたちにも人気のスキー場だ。スキーやボードはやったことがなくても、手始めにチュービングやスノーラフティングで雪に親しむことから始めてみるといい。日ごろのストレス発散に、童心に帰って思いきり叫んでみるのも良いものだ。