「日本の渚百選」にも選ばれた白砂のビーチが人気の弓ヶ浜。それとは対照的に、お隣の逢ヶ浜（おうのはま）はエビ穴や姑岩などの奇岩が点在する磯の浜だ。磯遊びやシュノーケリングの穴場的スポットでもある。

●ほぼすべての部屋がオーシャンビュー
その逢ヶ浜をじっと静かに見守り続ける一棟の和風味な建築。元保養所として使われていたもので、2階に同タイプの6帖の和室が5室、広めの10帖の和室が1室、海に向かって横一列に並んでいる。
大きめのホテルや旅館だと、部屋の位置によっては山側で景色が楽しめないこともある。だがこちらは1階の4.5帖の和室以外、すべての和室と30帖のリビングダイニングがオーシャンビューなのが自慢だ。
築年数はそれなりに経っているが、造りにはそこまでの古さを感じない。内装やキッチンなどの設備を入れ替えることで、釣りやシュノーケリングを目当てにやってくるゲストたちの宿として、十分再生可能なのではないだろうか。

●海を眺めながら新鮮な海の幸に舌鼓
海辺の宿の楽しみといえば近場で採れた新鮮な海の幸。嬉しいことに、この施設には海の見える野外のバーベキュースペースがある。ここで地場の魚介の踊り食いができたら最高だ。
普段はキッチンに併設された1階の30帖のリビングダイニングで食事を取ってもらう。隣の12帖の和室は夜の宴の会場としては勿論、照明を落としてゲストが思い思いにくつろげる畳ラウンジとして開放するのもいいかもしれない。

●海の後はやっぱり温泉？
日中シュノーケリングや磯釣りで楽しんだら、夕方は部屋に戻ってゆっくりとくつろぎたいもの。海から上がった体にはシャワーもいいけどやっぱり温泉！そんなゲストへのホスピタリティーのために、1階に2カ所あるタイル張りの風呂にはぜひ温泉を引き込んで欲しい。
温泉に、上手い料理に海遊び。そこにもてなしの心が加われば、逢ヶ浜というユニークなロケーションと相まって、毎年訪れたい南伊豆の常宿となってくれそうだ。